114: 名無しさん@お腹いっぱい。2012/03/20(火) 20:20:06.85
初めに断っておきますが、ものすごく長くなると思う。
僕の宝物、大好きな妻は8年前から僕の事を想っていたと言う。
この恋はきっと叶わないだろうからと、自分を好きだと言ってくれる人とつきあった事があるから
正味、ずっと僕にだけ一途だった訳ではない。
僕はと言えばその頃(妻と知り合った頃)は、既につきあっている彼女がいて
大学を出たのちに就いた仕事にも慣れ、このままいけば結婚かなと思っていたし
出会った頃の妻を、恋愛の対象とは微塵にも思ってもいなかった(第一幼すぎるし)
彼女と再会して、偶然1対1で関わる機会に恵まれ
彼女と話すうちに、次第に彼女に惹かれていくのが自分でもわかった。
恋人にそろそろプロポーズをと思っていた矢先に、他に好きな人ができたと言われてから約2年 が経ち
心に負っていた失恋の傷がずいぶん癒えて、お前もそろそろ新しい恋をしろと神様に言われているのかもしれない。
そんな自分勝手な解釈をしながら、彼女とアドレスの交換をしてメールのやり取りを楽しんだ。
僕の車で遠出のドライブを楽しんだり、僕の家で彼女の好きな映画のDVDを一緒に見たり
二人ともに大好きなミスチルのライブに行ったのは、これから絶対に忘れられない思い出だ。
僕が大好きな曲に触発されて、ついに自分の気持ちを彼女に打ち明けた。
ビックリしたような瞳で僕の顔を見た彼女は、そのあと真っ赤になってうつむいてしまったけど
僕が肩を抱いたら、彼女は体を僕にあずけるようにそっと寄り添ってきた。
僕は自分の年齢もあり、以後女性とつきあうならその先には「結婚」があるのが当然と思っていたので
自分の気持ちを彼女に打ち明けた時には、将来の伴侶はこいつしかいないと思っていた。
だけど彼女は僕よりもかなり若いので、この時点で僕に決めてしまう必要もなかっただろう。
でも、僕自身が彼女以外とこれからの人生を一緒に歩く未来図を描けなかった。
続きます。
僕の宝物、大好きな妻は8年前から僕の事を想っていたと言う。
この恋はきっと叶わないだろうからと、自分を好きだと言ってくれる人とつきあった事があるから
正味、ずっと僕にだけ一途だった訳ではない。
僕はと言えばその頃(妻と知り合った頃)は、既につきあっている彼女がいて
大学を出たのちに就いた仕事にも慣れ、このままいけば結婚かなと思っていたし
出会った頃の妻を、恋愛の対象とは微塵にも思ってもいなかった(第一幼すぎるし)
彼女と再会して、偶然1対1で関わる機会に恵まれ
彼女と話すうちに、次第に彼女に惹かれていくのが自分でもわかった。
恋人にそろそろプロポーズをと思っていた矢先に、他に好きな人ができたと言われてから約2年 が経ち
心に負っていた失恋の傷がずいぶん癒えて、お前もそろそろ新しい恋をしろと神様に言われているのかもしれない。
そんな自分勝手な解釈をしながら、彼女とアドレスの交換をしてメールのやり取りを楽しんだ。
僕の車で遠出のドライブを楽しんだり、僕の家で彼女の好きな映画のDVDを一緒に見たり
二人ともに大好きなミスチルのライブに行ったのは、これから絶対に忘れられない思い出だ。
僕が大好きな曲に触発されて、ついに自分の気持ちを彼女に打ち明けた。
ビックリしたような瞳で僕の顔を見た彼女は、そのあと真っ赤になってうつむいてしまったけど
僕が肩を抱いたら、彼女は体を僕にあずけるようにそっと寄り添ってきた。
僕は自分の年齢もあり、以後女性とつきあうならその先には「結婚」があるのが当然と思っていたので
自分の気持ちを彼女に打ち明けた時には、将来の伴侶はこいつしかいないと思っていた。
だけど彼女は僕よりもかなり若いので、この時点で僕に決めてしまう必要もなかっただろう。
でも、僕自身が彼女以外とこれからの人生を一緒に歩く未来図を描けなかった。
続きます。
115: 114 2012/03/21(水) 21:06:31.57
続きです。
だから彼女の誕生日に予約しておいたお店で、食事があらかた終わった頃に意を決してプロポーズをした。
「俺と結婚してくれ」これだけ言うのに大汗をかいた いわゆる「滝汗」というヤツだ。
彼女ははにかみながらうなずいてくれて、私をお嫁さんにしてくださいと答えてくれた。
それからは、実にトントン拍子にことが運んでいった。
ひとり娘の彼女の家に挨拶に行く日の前夜は、久しぶりに緊張してなかなか眠れなかったけど
当日は最敬礼、土下座、なりふり構わず彼女の両親に頭を下げて結婚の許しをもらった。
彼女の父親は柔道の有段者で、射撃の腕も相当なものと聞いていた。
その上このひとり娘を、とても大切にしている事を昔から知っていたので
緊張することこの上なくて、挨拶する時は今までで一番汗をかいていたと思う。
(プロポーズの時といい勝負だったかもしれない)
そんなこんなで手に入れた妻を、今度は僕の方がもっともっと好きになっていっている。
意外だった一面を見つけるたびに、妻のことをあらためて愛おしく思う。
甘えん坊に見えて実は芯が強いところ、不慣れな家事を一生懸命覚えて頑張ろうとしているところ。
経済的に何不自由なく育ったお嬢さんが、いろんなサイトで節約の勉強をしているところ。
僕が脱いだスーツの上着をハンガーにかける前に、そっとその匂いをかいでいるところ。
他にも沢山の愛おしいところを見つけるたびに思う。
絶対に妻のことを幸せにしなきゃいけないって。
そんな彼女が妊娠し僕たちが幸福感に包まれているさなかに、彼女の体が癌に侵されている事がわかった。
癌になんて、僕たちは絶対に負けない。
実際に病と闘うのは妻自身だけど、僕も出来る限りのサポートで彼女と一緒に闘っていく。
大好きな妻を 僕はまだ幸福にはできていない。
まだまだこれからだ 絶対に癌になんて負けないからな!!
お見苦しい文章で申し訳ありませんでした。
だから彼女の誕生日に予約しておいたお店で、食事があらかた終わった頃に意を決してプロポーズをした。
「俺と結婚してくれ」これだけ言うのに大汗をかいた いわゆる「滝汗」というヤツだ。
彼女ははにかみながらうなずいてくれて、私をお嫁さんにしてくださいと答えてくれた。
それからは、実にトントン拍子にことが運んでいった。
ひとり娘の彼女の家に挨拶に行く日の前夜は、久しぶりに緊張してなかなか眠れなかったけど
当日は最敬礼、土下座、なりふり構わず彼女の両親に頭を下げて結婚の許しをもらった。
彼女の父親は柔道の有段者で、射撃の腕も相当なものと聞いていた。
その上このひとり娘を、とても大切にしている事を昔から知っていたので
緊張することこの上なくて、挨拶する時は今までで一番汗をかいていたと思う。
(プロポーズの時といい勝負だったかもしれない)
そんなこんなで手に入れた妻を、今度は僕の方がもっともっと好きになっていっている。
意外だった一面を見つけるたびに、妻のことをあらためて愛おしく思う。
甘えん坊に見えて実は芯が強いところ、不慣れな家事を一生懸命覚えて頑張ろうとしているところ。
経済的に何不自由なく育ったお嬢さんが、いろんなサイトで節約の勉強をしているところ。
僕が脱いだスーツの上着をハンガーにかける前に、そっとその匂いをかいでいるところ。
他にも沢山の愛おしいところを見つけるたびに思う。
絶対に妻のことを幸せにしなきゃいけないって。
そんな彼女が妊娠し僕たちが幸福感に包まれているさなかに、彼女の体が癌に侵されている事がわかった。
癌になんて、僕たちは絶対に負けない。
実際に病と闘うのは妻自身だけど、僕も出来る限りのサポートで彼女と一緒に闘っていく。
大好きな妻を 僕はまだ幸福にはできていない。
まだまだこれからだ 絶対に癌になんて負けないからな!!
お見苦しい文章で申し訳ありませんでした。
116: 名無しさん@お腹いっぱい。 2012/03/21(水) 21:06:31.57
誰も来ていないのをいいことに
今日も引き続いて、大好きな妻のことを書かせてもらう。
仕事の帰りに病院へ寄って、今日も妻の顔を見てきた。
食事制限は特にされていないので、妻の大好きな苺のケーキを手土産にした。
彼女が言うところの、早すぎてまだ慣れない夕食を食べたあとたいくつな時間を過ごしていたので
僕が顔を見せた時、パジャマ姿の妻はまるで飼い主を見つけた子犬のような瞳をしていた。
僕が笑いながらそう言うと「だって退屈だったんだもん 仕方ないでしょ」
少しだけ頬をふくらませながら妻がそう言いながら笑った。
苺のケーキを買ってきたぞと僕が言うと、僕が箱を開けるのをわくわくしながら待っている。
そんなそぶりを愛おしく思いながら見ていると、いったいどこが悪くて妻はこんなところにいるのだろう…と思う。
あの悪夢のような宣告は夢なのではないか、それともいわゆる『どっきりカメラ』というものではないか
そんなことを思いながら僕はケーキを紙皿にあけ、ポットのお湯を使って紅茶を淹れた。
(机の上に置かれた見舞いの祝儀袋を見つけて、あっという間に現実に引き戻されてしまうのだが)
ケーキをひと口食べたあと、妻の動作がピタッと止まってしまったので
初めて行ってみた店のケーキはあまり美味しくなかったのかな…と思ったのだけど
妻の目からは涙がこぼれていて、しきりにごめんなさいごめんなさいって言う小さな声が聞こえてくる。
何がごめんなさいなんだと聞くと、あなたはこんな私とどうして結婚したのと言って妻は泣くばかりだった。
こんな場面こそ僕が役者になる時なのだと思い、僕は妻の体を強く抱きしめて背中をさすりながら話をした。
こんな時だからこそ尚更お前と結婚したかったんだよ 俺はお前がいないと本当に駄目なんだよ。
あえて大袈裟に言ったあと、妻のくちびるにキスをしたら少し甘い苺の味がした。
僕の大根芝居はすぐに妻に見破られたみたいだけど、それでもいいと僕は思っている。
一流の役者には到底なれそうにもないけど、それでも僕は大好きな妻を笑わせ続ける役者でありたいと思う。
今日も引き続いて、大好きな妻のことを書かせてもらう。
仕事の帰りに病院へ寄って、今日も妻の顔を見てきた。
食事制限は特にされていないので、妻の大好きな苺のケーキを手土産にした。
彼女が言うところの、早すぎてまだ慣れない夕食を食べたあとたいくつな時間を過ごしていたので
僕が顔を見せた時、パジャマ姿の妻はまるで飼い主を見つけた子犬のような瞳をしていた。
僕が笑いながらそう言うと「だって退屈だったんだもん 仕方ないでしょ」
少しだけ頬をふくらませながら妻がそう言いながら笑った。
苺のケーキを買ってきたぞと僕が言うと、僕が箱を開けるのをわくわくしながら待っている。
そんなそぶりを愛おしく思いながら見ていると、いったいどこが悪くて妻はこんなところにいるのだろう…と思う。
あの悪夢のような宣告は夢なのではないか、それともいわゆる『どっきりカメラ』というものではないか
そんなことを思いながら僕はケーキを紙皿にあけ、ポットのお湯を使って紅茶を淹れた。
(机の上に置かれた見舞いの祝儀袋を見つけて、あっという間に現実に引き戻されてしまうのだが)
ケーキをひと口食べたあと、妻の動作がピタッと止まってしまったので
初めて行ってみた店のケーキはあまり美味しくなかったのかな…と思ったのだけど
妻の目からは涙がこぼれていて、しきりにごめんなさいごめんなさいって言う小さな声が聞こえてくる。
何がごめんなさいなんだと聞くと、あなたはこんな私とどうして結婚したのと言って妻は泣くばかりだった。
こんな場面こそ僕が役者になる時なのだと思い、僕は妻の体を強く抱きしめて背中をさすりながら話をした。
こんな時だからこそ尚更お前と結婚したかったんだよ 俺はお前がいないと本当に駄目なんだよ。
あえて大袈裟に言ったあと、妻のくちびるにキスをしたら少し甘い苺の味がした。
僕の大根芝居はすぐに妻に見破られたみたいだけど、それでもいいと僕は思っている。
一流の役者には到底なれそうにもないけど、それでも僕は大好きな妻を笑わせ続ける役者でありたいと思う。
117: 名無しさん@お腹いっぱい。 2012/03/21(水) 22:54:27.28
>>116
癌なんかに負けるなよ!!
癌なんかに負けるなよ!!
124: 名無しさん@お腹いっぱい。 2012/03/22(木) 21:14:14.04
レスしてくれた人達にはとても感謝しているよ とても嬉しく心強く思っているんだ。
ありがとう。
ここに誰も来ないのではなく、僕のつぶやきが来づらい雰囲気にさせたかもしれない。
だとしたら大変申し訳ないけれど、この感情を吐きだせる場所が他にないんだ。
こんな夜には独りでロックを飲んでみるけれど、ちっとも酔えないでいる。
「俺ちゃんおはよう
昨日買ってきてくれたイチゴのケーキ とってもおいしかったよ
せっかく買ってきてくれたのに、泣いたりなんかしてゴメンね」
今朝 妻から届いたメールだ。
入院したあとの妻からのメールを、僕は全部フォルダーに入れて保護をしている。
個室で携帯電話の所持を許可されているとはいえ
疲れてしまうといけないから、携帯をいじるのはほどほどにと両親から言われているので
お互いメールのやり取りはそう頻繁にはしていないのだけど
どうしても声を聞きたくなったら、電話をかけてきてよと妻には言っている。
でも、僕が学校に出ていては迷惑になると思うのだろう
夜の遅い時間にかけてきて、たわいもない話をして会話が終わる。
しばらくしたら退院できるらしいので(通院で経過観察のあと再度入院とのことだ)
もう少し暖かくなって、妻が安定期に入ったら1泊2日で旅行に行こうと思い立った。
いつか一緒に行きたいと言っていた、妻の大好きなディズニーシーへ行くんだ。
僕は行列に並んで長く待つのが好きじゃないから、
「ディズニーは勘弁してくれよ」と言ったけれど今回は折れる。
妻が欲しがっていたぬいぐるみも買うし、
おそろいのストラップを携帯につけてスーツのポケットに入れておこう。
似合わないと言って生徒にからかわれたっていいよ。
普段から言葉にして気持ちを伝える大切さを、今さらながらあらためて実感しているよ。
ありがとう。
ここに誰も来ないのではなく、僕のつぶやきが来づらい雰囲気にさせたかもしれない。
だとしたら大変申し訳ないけれど、この感情を吐きだせる場所が他にないんだ。
こんな夜には独りでロックを飲んでみるけれど、ちっとも酔えないでいる。
「俺ちゃんおはよう
昨日買ってきてくれたイチゴのケーキ とってもおいしかったよ
せっかく買ってきてくれたのに、泣いたりなんかしてゴメンね」
今朝 妻から届いたメールだ。
入院したあとの妻からのメールを、僕は全部フォルダーに入れて保護をしている。
個室で携帯電話の所持を許可されているとはいえ
疲れてしまうといけないから、携帯をいじるのはほどほどにと両親から言われているので
お互いメールのやり取りはそう頻繁にはしていないのだけど
どうしても声を聞きたくなったら、電話をかけてきてよと妻には言っている。
でも、僕が学校に出ていては迷惑になると思うのだろう
夜の遅い時間にかけてきて、たわいもない話をして会話が終わる。
しばらくしたら退院できるらしいので(通院で経過観察のあと再度入院とのことだ)
もう少し暖かくなって、妻が安定期に入ったら1泊2日で旅行に行こうと思い立った。
いつか一緒に行きたいと言っていた、妻の大好きなディズニーシーへ行くんだ。
僕は行列に並んで長く待つのが好きじゃないから、
「ディズニーは勘弁してくれよ」と言ったけれど今回は折れる。
妻が欲しがっていたぬいぐるみも買うし、
おそろいのストラップを携帯につけてスーツのポケットに入れておこう。
似合わないと言って生徒にからかわれたっていいよ。
普段から言葉にして気持ちを伝える大切さを、今さらながらあらためて実感しているよ。
126: 名無しさん@お腹いっぱい。 2012/03/23(金) 00:14:44.41
1泊2日でディズニーシーへ行かないかと妻を誘うと、妻はびっくりして僕を見ていた。
「どうしたの? ディズニーランドなんか混雑がひどくて俺は耐えられないよってあなた前に言ってたじゃない?」
妻はそう言ったけれどうれしさをどうにも隠しきれないようで、その表情を見ていると胸がぐっとなる。
「楽しみにしていた新婚旅行の代わりといっちゃあ何だけど、1泊ぐらいなら大丈夫だろ?」
僕がそう言うと、あなた行列に並ぶのが大嫌いなのに大丈夫なの?と言って妻がくすっと笑った。
妻の言う通りでもともと僕は基本気が短くて、昔から長い間待つのが好きじゃないけれど
ディズニーシーに行くと腹をくくったら、もうそんなことは言っていられない 悟りの境地だ。
じゃあ今度ここ(病室)に来る時に、本屋さんでディズニーの情報誌を買ってきてねとお願いされた。
妻は今から旅行の計画を綿密に立てるつもりらしい…
早くから真面目にコツコツ取り組むところは、高校生の頃から何も変わっていない。
僕の担当科目はもともと成績が良い方だったが、妻曰く「大好きな先生の授業はがんばりたかった」から
宿題に使うサブテキストの問題集は、その範囲のずいぶん先までチェックして解いたあとがあったのを今でも覚えている。
そのサブテキストを見た僕が驚いて「◎◎(名字です)はもうこんなに進めているのか~」と言ったら
当時の妻が真っ赤な顔をしてうつむいてしまった事も。
授業中の妻の印象はというと、いつもこんな風に恥ずかしそうにうつむいている姿だったなと
恋人同士になってから本人に話したら、すごく大好きだったし相手は先生なんだから当たり前じゃない
大好きだったけど、そんな気持ちが先生に伝わってしまったら死にたいくらい恥ずかしいし…
そう話してくれた時、当時と同じように真っ赤な顔になっていたのが可愛くてたまらなくて僕は我慢できなくて
ついベッドの上で押し倒してしまって事に及んでしまい、そのあと彼女の門限ギリギリになってしまったんだった。
ほんの数カ月前の話なのに、今こうしてひとりグラスを揺らしながら思い出していると遥か昔の事みたいだ。
もう何杯目のロックだろうか いくら飲んでも少しも酔う気配すらない。
僕は酒に弱くもないけどそう強くもないはずなのに、たまには酔うほどに飲んでしまいたいのに。
「どうしたの? ディズニーランドなんか混雑がひどくて俺は耐えられないよってあなた前に言ってたじゃない?」
妻はそう言ったけれどうれしさをどうにも隠しきれないようで、その表情を見ていると胸がぐっとなる。
「楽しみにしていた新婚旅行の代わりといっちゃあ何だけど、1泊ぐらいなら大丈夫だろ?」
僕がそう言うと、あなた行列に並ぶのが大嫌いなのに大丈夫なの?と言って妻がくすっと笑った。
妻の言う通りでもともと僕は基本気が短くて、昔から長い間待つのが好きじゃないけれど
ディズニーシーに行くと腹をくくったら、もうそんなことは言っていられない 悟りの境地だ。
じゃあ今度ここ(病室)に来る時に、本屋さんでディズニーの情報誌を買ってきてねとお願いされた。
妻は今から旅行の計画を綿密に立てるつもりらしい…
早くから真面目にコツコツ取り組むところは、高校生の頃から何も変わっていない。
僕の担当科目はもともと成績が良い方だったが、妻曰く「大好きな先生の授業はがんばりたかった」から
宿題に使うサブテキストの問題集は、その範囲のずいぶん先までチェックして解いたあとがあったのを今でも覚えている。
そのサブテキストを見た僕が驚いて「◎◎(名字です)はもうこんなに進めているのか~」と言ったら
当時の妻が真っ赤な顔をしてうつむいてしまった事も。
授業中の妻の印象はというと、いつもこんな風に恥ずかしそうにうつむいている姿だったなと
恋人同士になってから本人に話したら、すごく大好きだったし相手は先生なんだから当たり前じゃない
大好きだったけど、そんな気持ちが先生に伝わってしまったら死にたいくらい恥ずかしいし…
そう話してくれた時、当時と同じように真っ赤な顔になっていたのが可愛くてたまらなくて僕は我慢できなくて
ついベッドの上で押し倒してしまって事に及んでしまい、そのあと彼女の門限ギリギリになってしまったんだった。
ほんの数カ月前の話なのに、今こうしてひとりグラスを揺らしながら思い出していると遥か昔の事みたいだ。
もう何杯目のロックだろうか いくら飲んでも少しも酔う気配すらない。
僕は酒に弱くもないけどそう強くもないはずなのに、たまには酔うほどに飲んでしまいたいのに。
125: 名無しさん@お腹いっぱい。 2012/03/22(木) 23:43:18.55
癌なんかでそう簡単には死なない。
早期ならなおさら。
妻は早期で手術してて、去年再発宣告されたけどめちゃめちゃ元気。
初めの告知の時は二人でこの世の終わりかと泣きはらしたけど、
今は毎朝の薬を服用することを除けばほぼ忘れてる。
(分子標的薬ね)
何が辛かったかというと、メンヘラだった時期が一番辛かった。
病は気からというし、心穏やかに楽しく過ごすのが体調、胎教にもいいと思うよ。
君の奥さんが何処の部位のだかわからないけど、
今はお子さんの成長が優先そうだし進行は早くないやつなのかな?
なら、奥さんの心のケアをしっかりしてあげて。
もちろんしてるか。
後は自分の気持ちを確かに。
奥さんの前でメソメソするな。
気負いもかえって緊張させる。
忘れてたわー、くらいの呑気さでちょうどいい。
早期ならなおさら。
妻は早期で手術してて、去年再発宣告されたけどめちゃめちゃ元気。
初めの告知の時は二人でこの世の終わりかと泣きはらしたけど、
今は毎朝の薬を服用することを除けばほぼ忘れてる。
(分子標的薬ね)
何が辛かったかというと、メンヘラだった時期が一番辛かった。
病は気からというし、心穏やかに楽しく過ごすのが体調、胎教にもいいと思うよ。
君の奥さんが何処の部位のだかわからないけど、
今はお子さんの成長が優先そうだし進行は早くないやつなのかな?
なら、奥さんの心のケアをしっかりしてあげて。
もちろんしてるか。
後は自分の気持ちを確かに。
奥さんの前でメソメソするな。
気負いもかえって緊張させる。
忘れてたわー、くらいの呑気さでちょうどいい。
127: 126 2012/03/23(金) 00:18:50.42
追伸:ありがとう
>>125を読んだよ 経験者の話はすごく参考になるし助かるよ。
どうやら早期癌のようだから、このまま妊娠を継続させられるみたいだ。
そんなに簡単には死なないって、同じ事を今日同僚に言われたよ。
彼の奥さんも同じ部位の癌だったけど完治したって話してくれた。
週末の予定だった結婚式に出られなくて残念だけど、そんなのはいつでもできるから
まずは奥さんのケアをしっかりなって言われた。
頑張りすぎない程度に頑張るよ。
>>125を読んだよ 経験者の話はすごく参考になるし助かるよ。
どうやら早期癌のようだから、このまま妊娠を継続させられるみたいだ。
そんなに簡単には死なないって、同じ事を今日同僚に言われたよ。
彼の奥さんも同じ部位の癌だったけど完治したって話してくれた。
週末の予定だった結婚式に出られなくて残念だけど、そんなのはいつでもできるから
まずは奥さんのケアをしっかりなって言われた。
頑張りすぎない程度に頑張るよ。
128: 名無しさん@お腹いっぱい。 2012/03/24(土) 00:25:23.95
マジレスすると、酔った感覚がなくても立ち上がって少し歩いたりすると突然酒が回ったりする事もあるから、気をつけたほうがいいよ。
あと次の日に残ったり睡眠が浅くなったりもする事もあるから。
まあそんな事はどうでもいいけど、奥さんを大事にしてあげて!
行列の待ち時間に話す話題とか考えておくといいよ!
あと次の日に残ったり睡眠が浅くなったりもする事もあるから。
まあそんな事はどうでもいいけど、奥さんを大事にしてあげて!
行列の待ち時間に話す話題とか考えておくといいよ!
129: 126 2012/03/24(土) 11:12:25.86
>>128
君の言う通りだった。
いくら飲んでも酔う気配すらないって書いたけれど
そろそろ片づけて寝ようと思って、立ち上がった途端に酔いが回ってきたよ。
足がふらついた拍子に、ロックグラスを落としてしまって割ってしまった。
夜中に大きな音を立てて、眠っていただろう階下の住人には申し訳ない事をした。
翌朝下で顔を合わせたので謝罪しておいたけど、逆に心配されてしまった 情けないな。
今日午後からまた病院へ行くのだけど、このむくんだ顔(深酒をしたらしばらくそうなるんだ)を見られたら
きっと妻には何もかも見破られてしまうんだろうな。
「どうしたのその顔 私が見張っていないといくらでも飲んじゃうんだから もう」
そう言って多分妻は僕の事を叱るんだろうけれど、久しぶりに妻に怒られたい気もする。
本屋でディズニーの雑誌を見つくろって、今日はパイでも手土産に持って行こうと思う。
ディズニーシーやランドの人気ぶりは衰える事を知らないから、きっと行列の待ち時間はすごいんだろうね。
妊婦だし体調との兼ね合いもあるから無理は禁物なのだけど、妻は頑張る気満々だ。
明日、3月25日はもし何事も起きていなかったら結婚式を挙げるはずだった日だ。
妻をひとりにしておくのは不安だから、今日明日は少しでも長く一緒にいようと思う。
君の言う通りだった。
いくら飲んでも酔う気配すらないって書いたけれど
そろそろ片づけて寝ようと思って、立ち上がった途端に酔いが回ってきたよ。
足がふらついた拍子に、ロックグラスを落としてしまって割ってしまった。
夜中に大きな音を立てて、眠っていただろう階下の住人には申し訳ない事をした。
翌朝下で顔を合わせたので謝罪しておいたけど、逆に心配されてしまった 情けないな。
今日午後からまた病院へ行くのだけど、このむくんだ顔(深酒をしたらしばらくそうなるんだ)を見られたら
きっと妻には何もかも見破られてしまうんだろうな。
「どうしたのその顔 私が見張っていないといくらでも飲んじゃうんだから もう」
そう言って多分妻は僕の事を叱るんだろうけれど、久しぶりに妻に怒られたい気もする。
本屋でディズニーの雑誌を見つくろって、今日はパイでも手土産に持って行こうと思う。
ディズニーシーやランドの人気ぶりは衰える事を知らないから、きっと行列の待ち時間はすごいんだろうね。
妊婦だし体調との兼ね合いもあるから無理は禁物なのだけど、妻は頑張る気満々だ。
明日、3月25日はもし何事も起きていなかったら結婚式を挙げるはずだった日だ。
妻をひとりにしておくのは不安だから、今日明日は少しでも長く一緒にいようと思う。
130: 名無しさん@お腹いっぱい。 2012/03/25(日) 11:36:24.39
昨日の土曜日は、風がとても強くてまるで冬を思わせるような1日だった。
僕が手に提げていたレモンパイの入った紙袋を見つけると、ぱっと妻の顔がほころんだ。
「入院している間にどんどん太っちゃうわ これじゃあ(病院の)先生に叱られちゃう」
言葉とは裏腹にとてもうれしそうな顔をするから、僕もついつい甘いものを買ってしまうんだ。
昨日はこれと、ディズニーリゾートのガイドブックを何冊か持って行ったのだけど
本屋で色々な雑誌やガイドブックをパラパラ見て、出来のいいのはどれかと探しているうちに
僕の方が本に夢中になってしまったから、病院に着くのが予定よりも少し遅くなったんだった。
病室のドアをあけると、豆柴のような瞳をした妻が待ちかねていたから「遅くなってごめんな」と言うと
「キュイ~ン」って犬の鳴く真似をしてみせて、右手で「お手」までして笑っている。
この前に僕が妻の事を犬みたいだって言ったせいなのだろうけど、こんなささいな仕草ひとつも愛おしく思える。
お昼前には、妻の伯父など親戚たちが見舞いに来ていたらしい。
夫になった僕の顔を見たかったらしく、会えなかった事を残念がっていたけどそんなの仕方がないわと妻がこぼしていた。
昨日はかなり長い時間をここで妻と一緒に過ごして、話をしたりうとうとしたりした(僕はいったい何をしに行ったんだ?)
どうやら妻には、僕の思惑がすべてお見通しだったみたいだ。
いつまでも腰を上げようとしないで、買ってきた雑誌に目を通す僕を見ながら妻が言った。
「俺ちゃん 私の事ならそんなに心配しなくても大丈夫だからね」
僕は「何が?」ととっさに返したけれど、妻は僕の顔を見ながらもう一度同じ言葉をくり返したあとでつけ加えて言う。
「俺ちゃんは明日の事を気にしているんでしょ? 私たちが結婚式を挙げるはずだった日だものね
でも私は大丈夫だからね、落ち込んだりなんかしていないから気にしないでね」そのあと妻はもう少しそばに来てと僕に手招きをした。
丸椅子ごと妻の枕元の近くに移動をして、もう1回座りなおした僕の顔に妻の白い手がのびてきた。
「目も赤いわ たまにはお酒を飲むのもいいけど、こんなになるまで飲んじゃだめよ」と僕の頬をなでながら言う。
やっぱりお見通しなんだなあって思いながら、しばらくの間僕は妻のなめらかな指の感覚を楽しんでいた。
僕が手に提げていたレモンパイの入った紙袋を見つけると、ぱっと妻の顔がほころんだ。
「入院している間にどんどん太っちゃうわ これじゃあ(病院の)先生に叱られちゃう」
言葉とは裏腹にとてもうれしそうな顔をするから、僕もついつい甘いものを買ってしまうんだ。
昨日はこれと、ディズニーリゾートのガイドブックを何冊か持って行ったのだけど
本屋で色々な雑誌やガイドブックをパラパラ見て、出来のいいのはどれかと探しているうちに
僕の方が本に夢中になってしまったから、病院に着くのが予定よりも少し遅くなったんだった。
病室のドアをあけると、豆柴のような瞳をした妻が待ちかねていたから「遅くなってごめんな」と言うと
「キュイ~ン」って犬の鳴く真似をしてみせて、右手で「お手」までして笑っている。
この前に僕が妻の事を犬みたいだって言ったせいなのだろうけど、こんなささいな仕草ひとつも愛おしく思える。
お昼前には、妻の伯父など親戚たちが見舞いに来ていたらしい。
夫になった僕の顔を見たかったらしく、会えなかった事を残念がっていたけどそんなの仕方がないわと妻がこぼしていた。
昨日はかなり長い時間をここで妻と一緒に過ごして、話をしたりうとうとしたりした(僕はいったい何をしに行ったんだ?)
どうやら妻には、僕の思惑がすべてお見通しだったみたいだ。
いつまでも腰を上げようとしないで、買ってきた雑誌に目を通す僕を見ながら妻が言った。
「俺ちゃん 私の事ならそんなに心配しなくても大丈夫だからね」
僕は「何が?」ととっさに返したけれど、妻は僕の顔を見ながらもう一度同じ言葉をくり返したあとでつけ加えて言う。
「俺ちゃんは明日の事を気にしているんでしょ? 私たちが結婚式を挙げるはずだった日だものね
でも私は大丈夫だからね、落ち込んだりなんかしていないから気にしないでね」そのあと妻はもう少しそばに来てと僕に手招きをした。
丸椅子ごと妻の枕元の近くに移動をして、もう1回座りなおした僕の顔に妻の白い手がのびてきた。
「目も赤いわ たまにはお酒を飲むのもいいけど、こんなになるまで飲んじゃだめよ」と僕の頬をなでながら言う。
やっぱりお見通しなんだなあって思いながら、しばらくの間僕は妻のなめらかな指の感覚を楽しんでいた。
131: 名無しさん@お腹いっぱい。 2012/03/25(日) 11:39:30.00
そのうちぐっと引き寄せられて、僕が身を傾けると妻が頭を抱きしめてきた。
僕の後頭部をくり返しなでる妻のてのひらの心地よさに、いつもと逆転した立場と幸せを僕はかみしめていた。
「今日(病院の)先生に言われたの この子が私の病気の事を教えてくれたのかもしれないねって」
僕も同じ事を思っていたのだけれど、誰かに言うと笑われそうだったから胸にしまっておいたのだけど
医者がそう言うという事はあながちあり得ない話ではなかったようだ 妻に先に言っておけばよかった。
「そうかもしれないな 生まれる前から親孝行な子だなあ」と僕が言うと、僕を抱く妻の腕の力が少し強くなった。
「春休みでも色々しないといけない事があるんでしょ? 忙しいのに毎日来てもらってごめんね」
妻の言葉に僕は、もともと今週は新婚旅行の予定だったからそのあと入った仕事はさほど多くないよと答えた。
そして来年度1年生の担任を持つ事になったと言うと、妻が何となくそんな気がしてたわと言ってくすっと笑った。
…長くなったのでもう1回だけ続きます
僕の後頭部をくり返しなでる妻のてのひらの心地よさに、いつもと逆転した立場と幸せを僕はかみしめていた。
「今日(病院の)先生に言われたの この子が私の病気の事を教えてくれたのかもしれないねって」
僕も同じ事を思っていたのだけれど、誰かに言うと笑われそうだったから胸にしまっておいたのだけど
医者がそう言うという事はあながちあり得ない話ではなかったようだ 妻に先に言っておけばよかった。
「そうかもしれないな 生まれる前から親孝行な子だなあ」と僕が言うと、僕を抱く妻の腕の力が少し強くなった。
「春休みでも色々しないといけない事があるんでしょ? 忙しいのに毎日来てもらってごめんね」
妻の言葉に僕は、もともと今週は新婚旅行の予定だったからそのあと入った仕事はさほど多くないよと答えた。
そして来年度1年生の担任を持つ事になったと言うと、妻が何となくそんな気がしてたわと言ってくすっと笑った。
…長くなったのでもう1回だけ続きます
132: 名無しさん@お腹いっぱい。 2012/03/25(日) 11:44:04.97
【最後です 長くなって申し訳ない】
去年の夏ふたりでMr.childrenのスタジアムライブに行った帰りの話だけど、ちょっとした事があった。
門限の時間が近づき(というかもう間に合いそうになかった)妻との別れを惜しむ僕は、車から降りようとした妻を制してキスをした。
一度キスをしたら自分の気持ちが抑えられなくなって、妻の体を強く抱きしめたあと何度も何度もキスをくり返したのだけど
塾帰りの女子中学生が4人そばを通りかかって、車中で抱き合う男女の影に気づいている事に
目の前にいる彼女に気持ちがいってしまっている僕が気づくまでに少し時間がかかってしまった。
気がつけば中学生たちはドアのそばできゃ~きゃ~言って、妻は恥ずかしがって真っ赤な顔をしていたと思う。
いつまでも車の中にこもっていても仕方がないし、これ以上帰宅が遅くなったら妻の厳格な父親に叱られるのが目に見えている。
意を決してドアをあけてまず僕が外に出たが、最近の中学生は物怖じを一切しないようで指さして正面からはやし立てられたのには驚いた。
こんな遅い時間に子どもがいつまでもうろうろしてちゃ物騒だから、君らは早く家に帰るようにと僕が言うと
「大人はうろうろしても大丈夫なんだ でもこの辺りは街灯で明るいからおじさんキスするならもっと暗いとこじゃないとだめだよ」
そう言って僕の顔を赤くさせたあと、連れだって家の方向へ歩きはじめた中学生の鞄から「受験直前~」というテキストがのぞいていたので
この4人のうちの誰かが、この春うちの高校の新入生でいる可能性が高くて(もしかしたら全員そうかもしれないけど)
教頭から来年度は新入生のクラス担任を任せると言われた時にすぐこの事が僕の頭に浮かんだ。
「あの子たちが俺ちゃんの顔を覚えてなければいいけど…」妻の言葉にうなずいた僕だけど、誰か物憶えのいいヤツがひとりは居そうだ。
僕がそう言うと、妻もそんな気がするわと言って僕の事を抱きしめた 妻の体からする甘い匂いが今の僕にはすごく心地よかった。
明日(日曜日)は来ないでいいからと妻に言われてしまったので、遅く起きて家で過ごしていたけれど
やっぱり僕が毎日妻の顔を見たい、というか見ないと駄目なくらい妻の事が大好きなんだ。
去年の夏ふたりでMr.childrenのスタジアムライブに行った帰りの話だけど、ちょっとした事があった。
門限の時間が近づき(というかもう間に合いそうになかった)妻との別れを惜しむ僕は、車から降りようとした妻を制してキスをした。
一度キスをしたら自分の気持ちが抑えられなくなって、妻の体を強く抱きしめたあと何度も何度もキスをくり返したのだけど
塾帰りの女子中学生が4人そばを通りかかって、車中で抱き合う男女の影に気づいている事に
目の前にいる彼女に気持ちがいってしまっている僕が気づくまでに少し時間がかかってしまった。
気がつけば中学生たちはドアのそばできゃ~きゃ~言って、妻は恥ずかしがって真っ赤な顔をしていたと思う。
いつまでも車の中にこもっていても仕方がないし、これ以上帰宅が遅くなったら妻の厳格な父親に叱られるのが目に見えている。
意を決してドアをあけてまず僕が外に出たが、最近の中学生は物怖じを一切しないようで指さして正面からはやし立てられたのには驚いた。
こんな遅い時間に子どもがいつまでもうろうろしてちゃ物騒だから、君らは早く家に帰るようにと僕が言うと
「大人はうろうろしても大丈夫なんだ でもこの辺りは街灯で明るいからおじさんキスするならもっと暗いとこじゃないとだめだよ」
そう言って僕の顔を赤くさせたあと、連れだって家の方向へ歩きはじめた中学生の鞄から「受験直前~」というテキストがのぞいていたので
この4人のうちの誰かが、この春うちの高校の新入生でいる可能性が高くて(もしかしたら全員そうかもしれないけど)
教頭から来年度は新入生のクラス担任を任せると言われた時にすぐこの事が僕の頭に浮かんだ。
「あの子たちが俺ちゃんの顔を覚えてなければいいけど…」妻の言葉にうなずいた僕だけど、誰か物憶えのいいヤツがひとりは居そうだ。
僕がそう言うと、妻もそんな気がするわと言って僕の事を抱きしめた 妻の体からする甘い匂いが今の僕にはすごく心地よかった。
明日(日曜日)は来ないでいいからと妻に言われてしまったので、遅く起きて家で過ごしていたけれど
やっぱり僕が毎日妻の顔を見たい、というか見ないと駄目なくらい妻の事が大好きなんだ。
133: 114=132 2012/03/25(日) 22:09:48.91
ここ最近、僕ひとりでスレッドを占有して申し訳なかったと思います。
正直言って、自分の気持ちをうまく整理できなくて頭の中が混乱しています。
何か書く事で平静を保つのが精一杯な日もありました。
自分は案外弱くて脆い人間なのだと思い知らされました。
癌と宣告された妻の方が、よほど肝が据わっているみたいです。
でも、こんな僕でも秋には父親になりますから、弱いだの脆いだと言っていられません。
大好きで愛してやまない妻を丸ごと包みこめるような、懐の広い人間でありたいと思います。
ここでかけてもらった沢山の言葉を胸に抱いて心にしまって自分の財産にします。
これ以上の長居は他の人の邪魔になるので、これで最後にしたいと思います。
拙い文章を読んでいただいて本当にありがとうございました。
正直言って、自分の気持ちをうまく整理できなくて頭の中が混乱しています。
何か書く事で平静を保つのが精一杯な日もありました。
自分は案外弱くて脆い人間なのだと思い知らされました。
癌と宣告された妻の方が、よほど肝が据わっているみたいです。
でも、こんな僕でも秋には父親になりますから、弱いだの脆いだと言っていられません。
大好きで愛してやまない妻を丸ごと包みこめるような、懐の広い人間でありたいと思います。
ここでかけてもらった沢山の言葉を胸に抱いて心にしまって自分の財産にします。
これ以上の長居は他の人の邪魔になるので、これで最後にしたいと思います。
拙い文章を読んでいただいて本当にありがとうございました。
134: 名無しさん@お腹いっぱい。 2012/03/26(月) 09:09:09.22
まあ、いろいろと、がんがれ
135: 114=132 2012/03/26(月) 21:53:55.32
もう来ないと言ったのにこれじゃただの嘘つきだ。
妻の「私は大丈夫だからね」という言葉を、鵜呑みにしてはいけなかった。
僕は大馬鹿者だ。
>>134
がんばりが足りなかったのか、それともただのから回りなのか
とにかく、僕は大馬鹿者だ。
妻の「私は大丈夫だからね」という言葉を、鵜呑みにしてはいけなかった。
僕は大馬鹿者だ。
>>134
がんばりが足りなかったのか、それともただのから回りなのか
とにかく、僕は大馬鹿者だ。
136: 名無しさん@お腹いっぱい。 2012/03/26(月) 22:12:10.22
あ?
どうした?
なにがあった?
どうした?
なにがあった?
137: 114=132 2012/03/26(月) 23:24:28.58
>>136
今日の昼前に、妻のもとへ僕の親が見舞いに来たそうだ。
以前からいずれ行くとは聞いていたのだけど、僕のいない時に来てもらうんじゃなかった。
親は妻と義母に、とんでもない事を言って帰ったと聞いた。
息子と離婚してくれないか と。
お腹の子どもについては、どんなことでもするからと(要は金銭でという意味)
中絶を提案して帰ったらしい。
親が帰ったあと妻は錯乱状態になり、僕が今日病院に寄った時には薬で眠らされていた。
僕は、自分の親があんな人間だとは思っていなかった。
義母から話を聞いたあとどうしても許せなくて、電話でかなり逆上してしまった。
離婚なんか絶対にしないし中絶もさせない、どうして病気で弱っている彼女にあんな事を言ったんだ?
もし彼女に何かあったら、たとえ親でもただじゃおかないからなと言って電話をブチ切った。
そのあと何度も着信があったけど、話をする気も起きない。
僕は油断していたんだ。
自分の親が、あんなとんでもない部類の人間だと思ってもみなかった。
弱った人間に刃のような言葉を吐くなんて最低の人間だ。
だけど僕もどこかで油断をしていたから、妻の見舞いに行くと聞いていたとはいえ
一緒に行く日にちを決めたりいしていなかったんだ。
そのせいで と思うと自分の脇の甘さが嫌になるよ。
今日の昼前に、妻のもとへ僕の親が見舞いに来たそうだ。
以前からいずれ行くとは聞いていたのだけど、僕のいない時に来てもらうんじゃなかった。
親は妻と義母に、とんでもない事を言って帰ったと聞いた。
息子と離婚してくれないか と。
お腹の子どもについては、どんなことでもするからと(要は金銭でという意味)
中絶を提案して帰ったらしい。
親が帰ったあと妻は錯乱状態になり、僕が今日病院に寄った時には薬で眠らされていた。
僕は、自分の親があんな人間だとは思っていなかった。
義母から話を聞いたあとどうしても許せなくて、電話でかなり逆上してしまった。
離婚なんか絶対にしないし中絶もさせない、どうして病気で弱っている彼女にあんな事を言ったんだ?
もし彼女に何かあったら、たとえ親でもただじゃおかないからなと言って電話をブチ切った。
そのあと何度も着信があったけど、話をする気も起きない。
僕は油断していたんだ。
自分の親が、あんなとんでもない部類の人間だと思ってもみなかった。
弱った人間に刃のような言葉を吐くなんて最低の人間だ。
だけど僕もどこかで油断をしていたから、妻の見舞いに行くと聞いていたとはいえ
一緒に行く日にちを決めたりいしていなかったんだ。
そのせいで と思うと自分の脇の甘さが嫌になるよ。
138: 名無しさん@お腹いっぱい。 2012/03/27(火) 07:24:01.74
はあ・・・、展開が少女漫画すぎる。
今時現実にそんな毒親話があるのに驚きだわ。
君も今まで育ててくれた人がそんなでさぞショックだろうが、君もいい大人なんだろ?
冷静にな。
奥さんの体調第一に。
それからあまり詳細に書きすぎると身バレ心配するよ。
今時現実にそんな毒親話があるのに驚きだわ。
君も今まで育ててくれた人がそんなでさぞショックだろうが、君もいい大人なんだろ?
冷静にな。
奥さんの体調第一に。
それからあまり詳細に書きすぎると身バレ心配するよ。
140: 114=132 2012/03/28(水) 21:32:19.66
>>138
気を揉ませて申し訳ないです。
心配ごもっとも。
自分の親が相手とはいえ
本音で話した結果が平行線ではどうしようもありません。
親の本当のところの心根を知り正直ショックではありますが
僕がまず第一に守るべきものは、家族になった愛する妻です。
病気の宣告を受けてからも健気に、そして気丈に振舞っていた妻の心を
いとも簡単に壊してしまった人間を許す事は出来ません。
身バレのリスクは確かにあります。
この辺でひとまず消えます。
妻の一番の支えになるために、心は熱く頭は冷静でありたいと思っています。
ありがとう。
気を揉ませて申し訳ないです。
心配ごもっとも。
自分の親が相手とはいえ
本音で話した結果が平行線ではどうしようもありません。
親の本当のところの心根を知り正直ショックではありますが
僕がまず第一に守るべきものは、家族になった愛する妻です。
病気の宣告を受けてからも健気に、そして気丈に振舞っていた妻の心を
いとも簡単に壊してしまった人間を許す事は出来ません。
身バレのリスクは確かにあります。
この辺でひとまず消えます。
妻の一番の支えになるために、心は熱く頭は冷静でありたいと思っています。
ありがとう。
141: 名無しさん@お腹いっぱい。 2012/03/28(水) 21:51:00.24
> 妻の一番の支えになるために、心は熱く頭は冷静でありたいと思っています。
それ、本当に大切だから
それ、本当に大切だから
142: 140 2012/04/01(日) 23:39:44.73
>>141
ありがとう。
僕自身が冷静さを欠いていたのでは、本当の意味での支えには到底なれない。
先日妻が退院しました。
しばらくは実家の両親のもとでゆっくり過ごしてもらいます。
僕とふたりだけの生活だと、どうしても妻が無理をしてしまうだろうから
情けないけど彼女の実家に甘えさせてもらう事にします。
彼女の心を以前のように戻すのは、時間をかけてゆっくりでないと難しいみたいだけど
少しずつそして何度も、君とお腹の子は僕にとってかけがえのない存在なのだからと言って聞かせています。
言葉のコミュニケーションだけでなく、抱きしめたりなでたり手を繋いだりして
僕の親からくらった言葉の刃の傷を、少しでも治癒できればいいのですが…
ありがとう。
僕自身が冷静さを欠いていたのでは、本当の意味での支えには到底なれない。
先日妻が退院しました。
しばらくは実家の両親のもとでゆっくり過ごしてもらいます。
僕とふたりだけの生活だと、どうしても妻が無理をしてしまうだろうから
情けないけど彼女の実家に甘えさせてもらう事にします。
彼女の心を以前のように戻すのは、時間をかけてゆっくりでないと難しいみたいだけど
少しずつそして何度も、君とお腹の子は僕にとってかけがえのない存在なのだからと言って聞かせています。
言葉のコミュニケーションだけでなく、抱きしめたりなでたり手を繋いだりして
僕の親からくらった言葉の刃の傷を、少しでも治癒できればいいのですが…
143: 名無しさん@お腹いっぱい。 2012/04/02(月) 02:16:40.64
それでいいよ。
雨が降れば君が傘になればいいし、
風が吹けば君が壁になればいい。
どんなに闇の深い夜でも必ず明日は来るからね。
頑張ろう。
雨が降れば君が傘になればいいし、
風が吹けば君が壁になればいい。
どんなに闇の深い夜でも必ず明日は来るからね。
頑張ろう。
144: 140 2012/04/02(月) 22:35:37.47
>>143
今日、>>143のレスを何度読み返しただろう。
「明けない夜はない」とか「出口のないトンネルはない」と
友人知人にずいぶん励まされたけれど
今の僕にはこの言葉が一番沁み入ってきて、目からは何か変なものが出ている。
仕事のあと毎日奥さんの実家に寄って家に帰るのはご負担でしょうと人に訊かれたので
そんなの負担になる訳がありません、妻は僕のパワーの素なんですと答えたら
奥さんに相当ベタ惚れなんですねって、半ば呆れたように言われました。
まるで子どものような目で、僕の事を見る妻が本当に愛しくて
その日あった事を目を輝かせて話してくれる妻に、僕も同じように一日の出来事を話すのですが
僕が失敗した話をしたら、ぎゅっと僕の体を抱っこして「いい子いい子」ってしてくれます。
いつか夜は明けるし、太陽は昇って僕たちの事を照らしてくれるはず。
そう思いながらこの愛しい妻の事を抱きしめている時に、>>143のレスが思い浮かびました。
本当にうれしかった。
頑張るよ ただし無理のないように。
今日、>>143のレスを何度読み返しただろう。
「明けない夜はない」とか「出口のないトンネルはない」と
友人知人にずいぶん励まされたけれど
今の僕にはこの言葉が一番沁み入ってきて、目からは何か変なものが出ている。
仕事のあと毎日奥さんの実家に寄って家に帰るのはご負担でしょうと人に訊かれたので
そんなの負担になる訳がありません、妻は僕のパワーの素なんですと答えたら
奥さんに相当ベタ惚れなんですねって、半ば呆れたように言われました。
まるで子どものような目で、僕の事を見る妻が本当に愛しくて
その日あった事を目を輝かせて話してくれる妻に、僕も同じように一日の出来事を話すのですが
僕が失敗した話をしたら、ぎゅっと僕の体を抱っこして「いい子いい子」ってしてくれます。
いつか夜は明けるし、太陽は昇って僕たちの事を照らしてくれるはず。
そう思いながらこの愛しい妻の事を抱きしめている時に、>>143のレスが思い浮かびました。
本当にうれしかった。
頑張るよ ただし無理のないように。
145: 名無しさん@お腹いっぱい。 2012/04/03(火) 00:59:27.45
>>144
143なんだけど、これは自分のことばではなくてある歌の一節なんだ。
娘がウォークマンに入れてたやつなんだけど、妻が入院中によく聴いていてね、
あんまり好きで聴いていたから、自分はそう思ってもらえてたのかな、そうでありたいなと
思っていたよ。
だから君のことも他人事に思えなくてね。
こんなことでしか励ましてあげれないけど、それでも少しでも元気付けられて嬉しいよ。
それから、当時小5だった娘も今月からはJKだよw
ひょっとするとひょっとするかも。
覚悟してーw
143なんだけど、これは自分のことばではなくてある歌の一節なんだ。
娘がウォークマンに入れてたやつなんだけど、妻が入院中によく聴いていてね、
あんまり好きで聴いていたから、自分はそう思ってもらえてたのかな、そうでありたいなと
思っていたよ。
だから君のことも他人事に思えなくてね。
こんなことでしか励ましてあげれないけど、それでも少しでも元気付けられて嬉しいよ。
それから、当時小5だった娘も今月からはJKだよw
ひょっとするとひょっとするかも。
覚悟してーw
146: 140 2012/04/04(水) 21:44:51.56
>>145
なるほど、この言葉は歌の一節だったんですね。
歌というのはなかなか侮れないもので
ある時ふと心にとまって、頭からしばらく離れていかない時があります。
ちっとも「こんなこと」じゃなくて、すごく励まされたような気がして元気になりました。
早速昨日、嵐みたいな雨を窓から見ながら妻に言わせてもらいました。
そうしたら妻には泣かれてしまって、予想外の反応だったから僕もびっくりしてしまったのだけど
その理由を聞いたら、僕が傘になったら「びしょ濡れになって冷たくなってしまうからダメ」なんだそうです。
暖かくなった今日の午後に、一気に咲きはじめた桜を見ようと妻を誘いました。
この街を流れる川沿いには桜並木があって、満開の折にはそれは見事な光景になります。
まだ満開ではありませんが、薄いピンク色のたくさんの花を見ながら色々な話をしました。
娘さん、今年からJKですか?
僕が受け持つクラスに居たら、本当にびっくりしますよ。
妻と初めてキスをした夜に遭遇した中学生だけでもヒヤヒヤものですのにw
なるほど、この言葉は歌の一節だったんですね。
歌というのはなかなか侮れないもので
ある時ふと心にとまって、頭からしばらく離れていかない時があります。
ちっとも「こんなこと」じゃなくて、すごく励まされたような気がして元気になりました。
早速昨日、嵐みたいな雨を窓から見ながら妻に言わせてもらいました。
そうしたら妻には泣かれてしまって、予想外の反応だったから僕もびっくりしてしまったのだけど
その理由を聞いたら、僕が傘になったら「びしょ濡れになって冷たくなってしまうからダメ」なんだそうです。
暖かくなった今日の午後に、一気に咲きはじめた桜を見ようと妻を誘いました。
この街を流れる川沿いには桜並木があって、満開の折にはそれは見事な光景になります。
まだ満開ではありませんが、薄いピンク色のたくさんの花を見ながら色々な話をしました。
娘さん、今年からJKですか?
僕が受け持つクラスに居たら、本当にびっくりしますよ。
妻と初めてキスをした夜に遭遇した中学生だけでもヒヤヒヤものですのにw
147: 140 2012/04/06(金) 01:19:43.45
今日(日付けが変わったので正確には昨日)帰宅したら妻がいた。
またもとのひとり暮らしに戻って
僕が少し(ではないか)散らかしっぱなしにしていた、家じゅうを掃除していたみたいだ。
驚いてすぐに言葉が見つからない、僕を見た妻がおかえりなさいと言って笑った。
そしてそのあと、やっぱり実家でいるよりもあなたと一緒に生活がしたいと言って抱きついてきた。
本当は僕もそうしたかったけど、妻の気持ちが落ち着くのが一番だからと
しばらくは両親のもとで暮らした方がいいのではと思い、妻の事を両親にお願いしたんだった。
かなり散らかしていたから、妻にあとで軽く説教をされてしまったけど
こうやって一緒に生活できる事を思えば、そんな説教すらも心地よく感じた。
こうしてふたりっきりの時間を過ごすのは本当に久しぶりで
(病室の中でふたりっきりでいても、いつ誰が入ってくるかわからないからあれはふたりっきりじゃない)
僕に抱きついて甘えてくる妻を、僕も強く抱きしめた。
もともと細めのその体が、入院とあの事件以来さらに細くなっているのがはっきりわかった。
僕が妻の名前を呼ぶと妻は僕を「〇〇先生」と呼ぶから、どうしたのか聞いたら何も言わないでまた先生と言う。
妻が僕を想っていたという時間の中のほとんどで僕は「先生」だったから無理もない。
ただ、妻とつきあいはじめた頃に僕が「俺を先生と呼ぶのはもう無しだよ」って言って以来
妻が僕の事を名前で呼ぶようになっていただけだ。
久しぶりに先生と呼ばれると、どうしても高校生だった頃の妻を思い出すんだ。
あの頃の妻を恋愛の対象で見る事はただの一度も無かったけれど、生徒としては本当に素直で健気で可愛い生徒だった。
それが時を経て、偶然の時間を共有した事で今こうして夫婦になっているなんて
何がきっかけになるか本当にわからないものだと思いながら、妻をずいぶん長い間抱きしめていた。
少しだけふっくらしてきた妻のお腹をなでて、お前とこの子は俺の宝物なんだよと言う自分の声が震えていた。
またもとのひとり暮らしに戻って
僕が少し(ではないか)散らかしっぱなしにしていた、家じゅうを掃除していたみたいだ。
驚いてすぐに言葉が見つからない、僕を見た妻がおかえりなさいと言って笑った。
そしてそのあと、やっぱり実家でいるよりもあなたと一緒に生活がしたいと言って抱きついてきた。
本当は僕もそうしたかったけど、妻の気持ちが落ち着くのが一番だからと
しばらくは両親のもとで暮らした方がいいのではと思い、妻の事を両親にお願いしたんだった。
かなり散らかしていたから、妻にあとで軽く説教をされてしまったけど
こうやって一緒に生活できる事を思えば、そんな説教すらも心地よく感じた。
こうしてふたりっきりの時間を過ごすのは本当に久しぶりで
(病室の中でふたりっきりでいても、いつ誰が入ってくるかわからないからあれはふたりっきりじゃない)
僕に抱きついて甘えてくる妻を、僕も強く抱きしめた。
もともと細めのその体が、入院とあの事件以来さらに細くなっているのがはっきりわかった。
僕が妻の名前を呼ぶと妻は僕を「〇〇先生」と呼ぶから、どうしたのか聞いたら何も言わないでまた先生と言う。
妻が僕を想っていたという時間の中のほとんどで僕は「先生」だったから無理もない。
ただ、妻とつきあいはじめた頃に僕が「俺を先生と呼ぶのはもう無しだよ」って言って以来
妻が僕の事を名前で呼ぶようになっていただけだ。
久しぶりに先生と呼ばれると、どうしても高校生だった頃の妻を思い出すんだ。
あの頃の妻を恋愛の対象で見る事はただの一度も無かったけれど、生徒としては本当に素直で健気で可愛い生徒だった。
それが時を経て、偶然の時間を共有した事で今こうして夫婦になっているなんて
何がきっかけになるか本当にわからないものだと思いながら、妻をずいぶん長い間抱きしめていた。
少しだけふっくらしてきた妻のお腹をなでて、お前とこの子は俺の宝物なんだよと言う自分の声が震えていた。
148: 名無しさん@お腹いっぱい。 2012/04/06(金) 06:52:55.50
酔っ払いのおっさんに感謝だな。
149: 140 2012/04/09(月) 00:41:16.70
>>148
確かに、この人がいなければ
同窓会のあとで彼女と1対1で話す機会は無かったですから。
でも1度、>>148と同じ事を言ったらひどく怒られました。
「私はあんなに怖い思いをしたのにっ!!」って。
もちろんそのあとは僕が平謝りです。
でも内心僕もあのおっさんには感謝しているんです。
入学式を終えて、明日からは新学期が始まります。
受け持つクラスの名簿を見て、彼らの情報を頭に叩き込みました。
新しい1年、がんばらなければ。
↓続きます
大好きな妻が子供を妊娠して、ガンになった 【後編】
確かに、この人がいなければ
同窓会のあとで彼女と1対1で話す機会は無かったですから。
でも1度、>>148と同じ事を言ったらひどく怒られました。
「私はあんなに怖い思いをしたのにっ!!」って。
もちろんそのあとは僕が平謝りです。
でも内心僕もあのおっさんには感謝しているんです。
入学式を終えて、明日からは新学期が始まります。
受け持つクラスの名簿を見て、彼らの情報を頭に叩き込みました。
新しい1年、がんばらなければ。
↓続きます
大好きな妻が子供を妊娠して、ガンになった 【後編】
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